第二十三話

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「聞いたでしょう?あなたの家族まで巻き込まれるかもしれないの!あなた兄弟は?姉妹は?」 「弟がいるけど……」 「その子になにかあってもいいの?」 巴はしばし沈黙してからうなずいた。 「わかった。弟はまだ幼稚園だしね」 私は巴のこの判断に胸をなでおろした。 私たちはその後、三人でお墓参りに行った。 お墓には先に誰かがお花を供えた跡があった。 祖母かと思って聞いたら、祖母は私のこともありお参りに今日行こうと思っていたので違うと言われた。 私たちの他に美奈子さんか、そのお母さんのお墓にお参りした人がいることになる。 「昔の事件のことを覚えている人が、家が取り壊されたのでお参りしたのかもね」 祖母が手を合わせた後に言ったことが妥当だろうと私も思った。
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