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「これなら祓えるんじゃない?」
巴が仏像に手を合わせてから言う。
「そうね。信じましょう」
私も巴に倣って合掌した。
外からは叔父の祈祷が聞こえてきた。
いよいよ始まったのだ。
途端にお堂の中の壁から板を裂くような音が鳴り始める。
「きゃあ!」
巴が私に抱き着いた。
「だ、大丈夫よ!」
まるで亀裂が入るように大きな音が止まらずに鳴る中で、巴のことを抱きしめた。
「大丈夫だ!霊はこの中に入れない!君たちを恐れさせて中から出そうとする!そのときは中にある仏像に祈るんだ!」
伊佐山君の声が扉のすぐ外から聞こえた。
私と巴は仏像の前に座ると一心不乱に祈った。
どのくらい時間が経ったのか、いつの間にか外では猛烈な雨が降ってきたような音がしたかと思うと、雷が鳴り、暴風がお堂を軋ませる。
「いるんだね……すぐ外に」
巴の言葉にうなずいた。
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