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「でも腐臭がしない……だからこの中には入れないっていうのは本当なんだ」
「そうね……でも外は大変なことになってなければいいけど」
「ところで、あの人が先生の彼氏?」
「こんなときになに言ってるの!?」
「いいじゃない。怖がるよりは」
言われてみればそうだ。
「残念だけど彼氏じゃないわよ」
「そう。でもあの人は先生に気があるね。じゃなきゃこんなことに首突っ込まないよ」
私はそれには笑うだけで答えなかった。
逆に巴に質問する。
「あなたはまだ死にたいの?」
「またその話し?」
「いいから。こんな恐ろしい目にあってもまだ死にたい?」
「さあ……わからない」
巴は首を振ってから話した。
「夜中に死んだらどうなるんだろうとか考えたことない?先生は」
「私は……昔あったかも」
子供のころ、いや、中学生くらいでも夜になり静かになるとふいに寂しくなる。
そんなときに考えた記憶が私にもあった。
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