第二十四話

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「その延長よ。私も。夜中にそんな気分になったの。それが朝になっても次の日になっても変わらないだけ」 「そんな理由で?」 私が呆れたときにふいに外が静かになった。 「あれ?雨が止んだ」 「風も収まったみたいね」 さっきまで荒れ狂っていた雷雨が嘘のように静かになった。 外からは祈祷の声が聞こえる。 「もう祓えたのかな?」 「だったら開けてくれるはずよ」 「ってことはまだいるんだ」 巴がそう言ったときに、お堂の中で時を刻んでいた時計の音が消えた。 「あれ?時計が止まってる」 巴が手に取ったそのとき、足下の方からゴーッという地鳴りのような音が響いてきた。 私と巴が顔を見合わせた瞬間、ドーンと大きな音とともにお堂が大きく揺れだした。 二人とも床に投げ出されて立っていられないほどの揺れ。
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