第二十四話

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「本当ですか!?こんなに早く!?」 叔父の話しでは何日もかかるようなことではなかったのか?だから伊佐山君も食料やら用意してくれていたはず。 こんなに簡単に祓えたのか?それとも伊佐山君の叔父がそれほどに優れた霊媒師だったということか? 「霊はお堂に入れずに、最後はお堂を壊して二人を外に出そうとしたが叶いませんでした。その瞬間、邪悪な怨念が消えるのを感じたのです」 「良かったじゃない!ずっとあそこに籠ってたはずが半日で片付いたんだから」 「そう……そうね。そう思わないと」 巴の言葉にわずかに芽生えた不安も消えた。 伊佐山君の叔父にはもちろんだが、家で祈ってくれている祖母にも感謝せずにはいられなかった。 少し休んでから伊佐山君の叔父にお礼を言うと、私と巴を伊佐山君が送ってくれた。 最初に巴を家の前で降ろす。 「じゃあね先生」 「あなたまだ死にたい?」 「まだ聞く?」 巴は呆れたように笑ってから「さあね」と言った。 私もそれ以上は聞かなかった。 「じゃあ来週、休学明けの学校でね」 「うん」 巴はうなずいてから私にお辞儀した。
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