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言葉は最後まで続かなかった。 先程ガインを掴んだ時よりさらに強い力でウィレムが大臣の襟元を掴み、首を締め上げていたからだ。 ウィレムは煮えたぎる怒りのまま、掴んだ襟元をそのまま天井に上げ、苦しげに呻く大臣の足を浮かばせた。 「かはっ…!!」 「よく回る口だな…それ以上、彼女を誹謗してみろ…お前を殺す。」 「い、きが…っ!!」 「まずお前の爪を剥いでやろう。その後、脚を切り落とす…そうだ、二度と口が聞けないように舌を抜かねばならんな…」 「おい!ウィレム!!!やめろ!!!」 大声の主を辿れば、ガインが向こう側から急いで駆けてくるのが目に入った。 ガインはすぐに目の前までやってくると、大臣を掴み上げるウィレムの腕を強く引っ張る。 その拍子で大臣はウィレムの手を逃れることができたが、腰が抜けたのか大臣は恐れおののいた様子で床に手をつきながら後退った。 「…ヒィィっ!!」 そのまま情けなくも大臣は、二人に背を向けてドタバタと去っていく。 ウィレムはその小さくなっていく背中を冷たい視線で無感情に見つめ、口を小さく開いた。 「なあ、ガイン…俺は、どう生きていけばいいんだ…スカーレットがいない世界で…どう生きろというんだ。」 ガインは息を呑んだ。 床に一雫の涙が落ち、赤いカーペットに染みを残したからである。 ガインはハッとなり、俯きがちだった面を慌ててあげた。 その視界いっぱいに映ったのはウィレムの頬を濡らす涙。 喪失、欠落、空虚、あらゆる失望を含んだ、死人のように力ない表情だった。
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