好きすぎて…

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 ……ダメだ。こんな姿を見せられては決心が揺らぐ……でも、ずっと前から長い時間考えて、考え抜いた末に決めたことなんだ。  悩んだ末に出した答えを、そんな一時の感情で簡単に覆すことはできない……最後に一つだけ、彼女のワガママに付き合ってやって、それできっぱりサヨナラをしよう。 「ああ、わかった……これが最後に聞いてやれるお願いだしな。だから、もうそんなに泣くなって」  泣きじゃくる彼女の頭をポンポンと軽く叩きながら、俺はありったけの微笑みを湛えて、そう、優しく声をかけてやる。  すると、彼女は涙でくしゃくしゃになった顔を上げて、上目遣いに鼻をすすりながら、おねだりするように俺に告げる。 「……グスン……それじゃあ……小指の先っちょだけでいいから、ちょっとだけ食べさせてくれる?」 「断固、拒否します……」  俺は、やっぱり分かれる決心をして正解だと思った……。                                  (好きすぎて… 了)
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