町をかける猫

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町をかける猫

早速その日の夕方に、庭下からSNSが送られてきた。 それは画像ではなく、動画だった。 だがその動画は何かおかしい。 俺は庭下のスマホをコールする。 「カメラの視点が普通じゃないぞ、あり得ないほど低い位置から撮ってるし、ジャンプしたり猛スピードで走っている。どうしているんだ?」 「フフフ、言ったでしょう、私、猫に詳しいの」 彼女は町の野良猫に『頼みこんで』スマホを付けさせて貰い、疑わしい場所を探索して貰っていると言った。 「それって野良にカメラ付けて走らせてるだけじゃないか。適当な仕事には金は払えないぞ」 「適当じゃないわよ。野良ちゃんにはチュ○ル(猫のおやつ)を報酬にして、お願いしてるんだから。私も貰うものはちゃんと貰うわよ」 明日、一緒に弁当を食べながら動画について詳しい説明を聞く事になった。 そして翌日、彼女の話を一通り聞いた俺は、一応納得するのだった。
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