いつもの姉妹

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「何それ、私は時間潰しって事?とにかくワインとチーズ持って帰っよ。」 「あのさーお母さんみたいな事言わないでよーとにかく持って帰れっていうの…これからデートなのにチーズとワインなんかぶる下げていける訳ないでしょ。」 「え!デートって、旦那じゃないよね?って事はセフレ?」真面目な里穂の意外な言葉に冷静な彩花もつい声が大きくなってしまった。 「セフレって何よ…彼氏?デートイコールセックスって…彩ちゃんみたいな付き合いとかした事ないし、私旦那とはセックスレスだから、彼氏としかしてないし家族にも迷惑かけてない…彼は昔からの友達だから、色々な意味で気楽で、自分が自然でいられるのよ癒されるのよ…いつも何人も掛け持ちで適当に遊んでる彩ちゃんには良く判らないとおもうけど、今は彼が好きなの…お互いの家族には悪いと思ってるから、多くを望んだりしてないし…」目をつり上げてびっくりする位里穂はむきになっていた。 「髪巻き直してあげるよ…」興奮した里穂とは対照的に落ち着いた彩花がヘアアイロンを取り出してニコリとした。 「デートなんでしょ、後髪のカールとれてるじゃん。…」プロだから当り前の手つきと仕上がりで34歳の主婦の里穂が小奇麗なアラサー女子になった。ファンデーションとチークグロスまで直してもらってさっき迄眉間の間にシワを寄せていた表情とは全く別人になった里穂は鏡を覗いて高揚した。「ありがとう…私メイクとか本当苦手で…」「そんなの昔からじゃない…せっかく私より綺麗なのに宝の持ち腐れよぉ!肌は元々綺麗なんだから、薄付きのリキッドとパウダー位で大丈夫だし唇は薄めだからリップしっかりかくよりグロスでぼかさなきゃだよ。」確かに里穂の方が美人だったが、在り来たりの30代のお母さんにみえてしまうのはセンスだけでは無い何かがかけていて、それ以上になれないのは里穂の悩みでもあり、その何かを彩花が持っているのが疎ましかった。
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