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店の中を里穂が見渡すともう既に琢磨が二人がけの奥の席に座っていた。里穂に気づいた琢磨はにこりと笑って手招きした…里穂の中に一瞬で甘い官能が湧き上がった…完璧に女が圧勝した。時間切れドローの後の延長戦であっけなく10秒…母性は敗れたのだ。「おまたせ!ってか、琢磨君早かったね、今日仕事だったんでしょ。」今さっきの気持ちを無理矢理我に戻す感じでわざとカジュアルに話かけたつもりだったが、席に着いた時自分の下着がしんなりしているのがわかり里穂は心底恥ずかしかった。
「いやっ…俺も今さっききたよ、てか、何か今日感じ違うね!何か凄い可愛いね。うーん。いつもと違うけど何かした?」「何かしたって…ちょっと来る前に姉の所で寄り道してて…ほら姉美容師だから、髪と、メイク直してもらったんだ」しげしげと琢磨は里穂を眺めた、里穂をみると言うよりは彩花が作った作品を眺めている感じがして里穂は気分が悪かった。
「へーお姉さん流石だね~自分で店やってるんだよねぇ、確か。」「うん。自分ってか、友達と共同経営で、二人で欲張らない感じで頑張ってるよ。」
「今度俺も髪切って貰いたいなぁ、里穂ちゃん紹介してよー、都内でしょ。」絶対やだ?心の中で里穂は叫んだ?だいぶ前の話だが、自分の男友達が彩花の客に数人なったが、ことごとく彩花に好意をいだいてしまい。物凄く面倒だった…まぁ友達には既婚者もいたりしてとにかく里穂は迷惑したし、もし琢磨が彩花に好きになったりしたらと、想像しただけで嫉妬心が芽生える。「お待たせしました。」バーの店員がシャンパンとチーズの盛り合わせをテーブルに並べた。なんとなく彩花の話に水が刺されて里穂はほっとしながら、シャンパングラスに手を伸ばした。「カンパーイ!」二人でグラスを合わせゴクリと飲むんで里穂はびっくりして琢磨を覗きこんだ…
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