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青い小石が並んだ中の1つに一回り大きな赤い石。 その中にアゲハに似た綺麗な蝶の模様が描かれていた。 母から、大学の独り暮らしのお守りにともらったその日から私は、そのブレスレットに心底惚れていた。 濡らしても大丈夫と聞いたから肌見離さず持っていた。 寝るときだけはその赤い宝石にキスをしてベッドの傍のテーブルに置くのが習慣だった。 キスをすると何故か安心するから。 誰かに見守られている気がするから。 けど、そのブレスレットは、 もう、私の手にはない。
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