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「ラーメンで良いか?」
別に断る理由が無いからOKして、二人でラーメン屋に入った。
普通に向かいあって、普通に飯を食っている。
いや、クラスメイトなんだから当たり前だとは思うけれど、教室では今まで絶対に無かったその状況に、妙にそわそわとしてしまう。
お互いにラーメンをすすりながら、教室が暑すぎるだとか、あの先生は話が長すぎるだとか他愛のない話をした。
「なあ、佐久良ちゃんは彼女いる?」
「そういうお前はどうなんだよ。」
「は、俺?俺は付き合うところまでは楽勝だけど、付き合いだすと直ぐ振られるんだよな。」
現在10連敗中と笑う。
「どうせ、お前のその馬鹿なところに気が付かれるんだろ?」
つい、キツイ言い方になってしまう。
「お!良く分かったな。」
だが、三崎は気にした風でも無く返した。
「で、佐久良ちゃんはどうなのよ。」
「……。彼女とか居た事ねーから良くわからない。」
ポソリと言った言葉は三崎には聞こえて居た様で、目を丸くされる。
居たたまれない気持ちになって、ラーメンに集中する。
まあ、事実だからしょうがない。
恐らく、三崎への気持ちが忘れられるまでは年齢=彼女居ない歴になるんだろう。
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