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記憶にはないがいつかどこかで言ったのだろう。
「ある？」
「うん…」
と二ノ宮は頷いてパックを置き、デザート風のサンドを取った。
「実は私、野菜あんまり好きじゃない…。こういうのに入ってるのは全然いいんだけど、むしろないとヤなんだけど、野菜メインのごはんとか出てくるとえー…ってなる」
「メインのごはんてどんな」
「なんか、和風の中華っぽいの。炒め物とか餡かけとか、ちゃんぽんの上の野菜たちとか。クリーム少ないグラタンも苦手だし、ベジミートとかなんで、まっすぐお肉でよくないって思う」
「へー…」
ベジミートって何だろう。どこかの王子の弟的な。
「つく、作ってもらってるのに生意気だよね私。今日のもほとんど手伝ってもらったくせにほんと私でも生まれ変わっ―――綾瀬さんは料理とかするの？」
どうした。
「米は炊ける」
「私も炊ける」
ぱぁぁとなぜか晴れる顔。
「あとね、カレー作れる」
「んー」
「ホットケーキ作れる」
「んー」
「あとなんかある？」
「調理実習でやったやつ」
「それ！」
「と、何個か」
ずぅんと落ちる顔。噴きそうになるからよせ。
「…焼きそば…」
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