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「茜ちゃんたちは何で、わたしたちの前に現れたの?」
「言ったじゃーん。運命を変えないためだって」
「違う~! んじゃないかなって~」
茜は再び振り返り、夢姫の方を向いた。
夢姫は続ける。
「だって、運命を変えないためなら、わたしたちの前に現れる必要、ないもん。ただ、黙って見張ればいいはず~。わたしが死ぬ運命だとしたら~、それは、何をしたって抗えないから~……。でも、茜ちゃんたちは、わたしたちの前に姿を現した」
茜は夢姫の言葉を黙って聞いていた。
そして、夢姫は続けて言う。
「だと……、したら、別の目的があるんじゃないかな~って……」
自信はなかったが、夢姫は不思議に思っていた。
茜は運命を変えない為に来たと言っていたが、茜たちは、普段の夢姫に無関係な存在。運命が本当に存在すると過程した場合、その運命は茜と出会わないことで成りえるもの。
だが、茜は夢姫の前に現れた。その行動は言動と矛盾していた。
それに気づいた夢姫は他に違う目的があるのではないかと考えていたが、それを裏付ける確証がなく、その仮説に自信がなかった。
夢姫の問いかけに、茜はニヤッと薄ら笑いを浮かべ。
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