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夢姫の様子に安心したのか、久美子は「フフッ」と微笑んで言う。
「夢姫ちゃんなら、心配要らなかったわね。ありがとう!」
「じゃぁ~、あきくん、起こしに行ってきま~す」
そう言って、夢姫は今度こそ、二階にある希翔の部屋へ向かった。
部屋では案の定、希翔がまだ寝ていて、
夢姫が希翔の上に、「おきろ~~」と言って乗りかかると、希翔は「うぅぅ~~~」と唸りながら、寝ぼけまなこで起床した。
「あきくん、おきた?」
楽しそうに希翔に訊ねる。
「何度、言ったら分かるんだよ。上に乗るなって」
希翔は少しめんどくさそうに答えた。
「だって、あきくん、こうしないと起きないでしょ?」
「いや、起きるから。頼むから普通に起こしてくれ」
「分かった~。明日は普通に起こすであります!」
ピシッと敬礼ポーズをとって、夢姫は希翔の部屋を出てリビングのある一階へ降りて行った。
「昨日もそう言ってた気がするんだが……」
希翔はそう呟いて、後ろ髪をワシャワシャとかき、制服に着替える。
着替え終わった希翔が、朝食が準備されているリビングに行くと、夢姫が朝食を食べていた。
夢姫の両親は仕事の都合で外出することが多く、子どもの頃から希翔の家でご飯を食べるのが当たり前になっていた。
「あ~、やっときた~。先に食べてるよ~!」
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