プロローグ 純粋な二人の過去

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「いってきます」 希翔と夢姫がそう言って、部屋を出ようとしたとき。 「あっ、待って!」 久美子が二人を止めた。 「なに、母さん?」  希翔がそう訊ねると、久美子は財布を取り出し、希翔に千円札を手渡した。 「これで、好きなもの買いなさい」  「ありがとう!」  希翔はそう言って、久美子に手渡されたお金を受け取った。 「ひめちゃんは大丈夫?」 「ママにお金、もらいました」 「そう! なら、大丈夫ね」 「ありがとうございます」 夢姫は小さくお辞儀した。 「じゃぁ、行くね、母さん」 「おばさん、行ってきます」 「気を付けて、行ってらっしゃい!」 久美子は希翔と夢姫を見送った。
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