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二人が公園に着くと、やはり、まだ少し早かったようで、祭りの準備の真っ最中だった。慌ただしい様子で屋台の準備に追われているスタッフの人たち。
装飾等は既に終わっていて公園の中心には、小さいが立派なやぐらが建てられ、提灯が飾られていた。
「やっぱり、ちょっと早かったか」
「だね」
だが、二人が周囲を見渡すと、希翔たちのように少し早く来た人たちがいて、皆、お祭りが始まるのを今か、今かと待っていた。
その中には二人の同級生数人とその母親の集団があり、その中の一人が希翔たちに気付き、その集団が希翔たちの元にやって来た。
「希翔くんと夢姫ちゃんも来てたのね?」
同級生の集団の中にいた同級生の母親の一人が希翔に話しかけた。
「はい」
そう希翔が返した隣で夢姫は恥ずかしそうに頷いていた。
夢姫は引っ込み思案な性格で、人見知りも相まって、人と話すのが得意ではなかった。
だから、いつも希翔の後ろに隠れていた。
「希翔くん、絵のコンクールで賞取ったんだって? 凄いね!」
希翔は有名な絵画コンクールのジュニア部門で賞をとっていた。
受賞したことは先生や生徒だけでなく、保護者にまで知れ渡り、話題になった。
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