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僕は心の中で「どないやねん」と思いながら、恥ずかしそうに渡す問診票をその男から受け取り、そのまま先生に渡した。
「谷木田 ヘーゼルさん。22才」
「はい」
小さくて聞き取りにくかったが、返事をしたその男の声は、明らかに喉が枯れていた。
「ちなみに、ここは病院じゃないという事は分かっていますよね?」
「は……はい」
確かに、端から見たら、ただの怪我人が病院に通院しているように見えるだろう。
「現在は所属なし。出演経験もゼロ。異能力者として開花してからは、メジャーでの活動は、ほぼ何もしていないという事でよろしいですか?」
「はい」
「希望としては、やられ役やモブキャラでも良いが、できればメインキャストの1人になりたいという事ですね」
「はい」
「いくつかオーディションは受けましたか?」
「はい。ワ○ピースや僕のヒーロー○カデミア、ジョジョの奇妙な冒○などを受けましたが、書類選考で落とされました」
「でしょうね」
相変わらず先生の言う事はきつい。
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