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第5話 ブルーハワイVS京子!!
どれくらいの時間、車に乗っていたか分からないが、辺りはすっかり暗くなり、何やら怪しげな所に連れて来られていた。
「お腹が空いてきたわね」
この非常時だというのに、本当に京子先生は肝が据わっている。
「新右衛門君。お好み焼きとか持ってないの?」
「持ってません」
「即答したけど、ポケットの中とか良く探したの?」
探さなくても分かるが、僕は生まれてから一度もポケットの中にお好み焼きを入れた事は無い。
多分、全人類の99%の人達が、一度もポケットにお好み焼きを入れずに死ぬだろう。
「パンツの中まで良く探しましたが、お好み焼きらしき物は見当たりませんでした!」
「あらそう。柳町君のパンツの中には、青海苔くらい入ってそうだけど、残念ね」
どういう意味だろう?
「着いたぞ」
運転していた太っちょ赤スーツは、赤いのれんのたこ焼き屋の前で車を止めた。
「食べたかったのは、お好み焼きなんだけど」
「降りろ」
太っちょ赤スーツは可愛い声で、僕達を威圧した。
僕達は車を降り、たこ焼き屋の裏に回った。
そこは何処にでもあるような裏庭で、特に変わった物は何も無く、何故ここに連れて来られたのか分からないでいた。
「ボスはこの中だ」
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