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フタバから事の顛末を聞いた私は、自分が何か途方も無い夢を見ていたような感覚に襲われた。 池に落ちていく感覚も、死んだはずのミイも、新しい鉛筆も、ステガミイケが私に見せた幻だったのだ。全ては私の体を捨てさせる為のものだったのだ。 私が助けられた後、ステガミイケは立ち入り禁止となった。大人達が池を点検した時、色んな動物の骨が出てきたと聞く。私のように魅入られた人間の死体やミイのように捨てられた死体が他にもたくさんあったのだろう。 この一件以来、私へのいじめはなくなった。ありがたいことにエミコは私を避けるようになった。 フタバは何度も私に謝ってきたが、それよりも私はまた親友に戻れたことが嬉しかった。 親友に助けられた命を大切にしたいと思う。 それはどれだけ黒く汚れていても、捨神様に与えられる元どおりの命よりずっと綺麗なものだと思うから。 『ナツミとフタバはずっと友達』 私は、ノートに書かれたフタバからのメッセージを指で優しく撫でて、小さく微笑んだ。
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