けれど奇妙は日々は、また

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「乗れ」 「えっ!?」 俺以外は声を揃えて口を開ける。 「二度は言わんぞ。稼働データを提出するようにと学園上層部に通達があった。お前たちの専用機はどうせ使えないのだから、レポート協力しろ」 その後ろいに移動した山田先生はその他の一般生徒たちにぱんぱんと手を叩くと指示を始めた。 「はーい。みなさんはグループを作って訓練機の模擬戦をはじめますよー。格納庫から運んできてくださいね」 どうやらEOSの性能を見たかったのか生徒たちはええーっと、声を上げるが、元世界最強の一睨みでで即座に運搬作業に移った。 「はやくしろ、馬鹿ども」 何人かはなんで私たちがなどといた表情や、声を挙げているが、個人的にこの機体には興味があった。ダッシュしにいってもよかったつもりだったが、そっちから来てくれるとは好都合。 俺は誰も動かなかったコンテナに向かった。 「おもいな、アシストを切ったISよりは軽いが」 まあ、動けない程ではないか 「くっ、この.........」 「こ、これは.....」 「お、重い....ですわ.....」 「うへえ、うそでしょ.......」 「う、動かしづらい......」 一夏、箒、セシリア、鈴、シャル。その全員がEOSの扱いに困っている。簪に至っては動きすらない。 なにせ、重いんだ。もちろん総重量ならISの方が重いんだが、向こうにはPICという反重力システムを組み込んでいる上に、補助駆動装置にパワーアシストまで存在するからな。 それに対してEOSは金属の塊みたいな物だからな。アシストは存在するがISよりも遥かに低スペック。さらに、ダイレクト・モーション・システムにより、肉体動作の先回りして動くISとは違い、すべての動きは操縦者の後になる。 その上、背中のバッテリーは三〇キロを超す。しかも、重いだけで、フル稼働で十数分程度しか動かない。
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