けれど奇妙は日々は、また

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「所長!なにやってるんですか!」 背後から男性の声が聞こえた。やって来たのは三十代くらいの男の人で、一夏を見るなり「あっ」と声をあげた。 「お、織斑くんだね!?織斑一夏くん!」 「は、はい」 「そうかそうか!いや、すまないね。所長が迎えにいく約束だったんだけど、この人は見ての通りヘンタイだから」 直球に言ったな、この人上司に向かって 「へいへい、美少年。私の部屋でイイコトし~よーう、ぜ!」 矛先が今度は俺に向いた。ずっと一夏でよかったのに 「いいことって?」 「ババ抜き」 「よし、あんたを抜けばいいんだな」 「ちっ、なんだよ、これだから真面目系は」 ああ、なんでこんなめんどくさい人が所長なんだろうな。こうして俺と一夏は倉持研究所の門を潜ることができた。まあ、それでも一悶着あったが気にしまい。 「では、あらためまして。私の名前は篝火ヒカルノ。倉持技研の第二研究所所長だよ」 ただした格好で来ると思ったが、新しいISスーツ(名前入り)に白衣、足にはふっかふかの猫足スリッパでの登場だ。 どこから突っ込もうか、一夏にいたってはもう気にしまいと一生懸命だ。 「さあ、はじめようか。『白式』出してくれる?」 そのまんま測定器に腰を掛け、準備を開始する篝火さん......... 「「いや、すこしくらい突っ込ませろよ!」」
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