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「釣り、かぁ」
そういえば千冬さんにつれてきてもらったことがあったな。あの時は一夏に箒、束さんもいたっけな
そんなことを考えながら山道を歩いていると、川のせせらぎが聞こえてきた。
「おー」
「これはきれいだな」
日光をきらきらと反射する川は、それなりに川幅のある場所で、大きな岩がどしんと構えていた。
一夏はそれを見た瞬間、餌になる虫を探しだした。
『反応を探りましょうか?』
「いや、いいよ。今日は時間があるみたいだし、ゆっくり探すさ」
『かしこまりました。作業に戻ります。最近はお疲れのようですので、ごゆっくりお過ごしくださいませ』
「さて、ミミズでも探すか」
お互いに夢中になって餌を探していると、そこそこの量が集まった。
「燈はどこで釣るんだ?」
「ん?ああ、お前はあの岩の上がいいんだろ?俺はこっちで足つけてやるから」
「そうか。なら遠慮なく」
岩を伝って上っていく一夏はなんだか楽しそうだ。俺も靴下を脱いで濡れていない日陰になる場所を探し釣糸を垂らした。
喧騒から切り離されて、とりの鳴き声や川のせせらぎだけが聞こえる。一夏もなんだかゆったりとしている。
最近は騒々しかった。『無人機』『福音』『亡国機業』『アメリカ』『無人機』戦ってばっかりだったからな、たまにはこんな時間は嬉しい。女の子たちが嫌なわけではないんだが、なにぶん、気を使うからな
「IS学園、うるさいしなぁ~」
俺しかいないからって気をぬきすぎだろ一夏。
「そんなこと言っていいのか?誰かに」
「へえ、十代女子のかしましさには、ついていけないかい?」
「あ、あ、あれ?ヒカルノさん、どうしてこちらへ?」
「いや、今は私、やることがないんだよね。私の専攻はISのソフトウェアだからね、っと」
そう答えながら、ピョンっと俺のとなりにやって来た。一夏に回答したなら向こうにいけばいいのに。
「美月くん、餌ちょうだい?」
「ミミズがダメなら、木の実もありますけど?」
「いや、ミミズでいいよ」
そういって、持ってきていた釣り針に取り付け糸を垂らした。
「そういえば、美月燈くん。君はISのソフトウェアについてはどれくらい知ってる?」
「それは俺を試しているんですか?非限定情報集積によって独自進化を行い.........めんどくさいな、俺のこと知ってるんですか?」
「ふふふ、まあね。あの篠ノ之束の弟子だなんて、いう子は中々いないからね。しかも男の子で」
「まあ、そうでしょうね。で、『白式』はあらかた見てきたから、今度は『朧月』を見せろと?」
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