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・・・・・・・
「えーと、この大帝国ホテルのディナーに行きたいんですよね?」
俺は渡された招待券を見ながら、アーケード街を歩いていた。
「うん・・・・」
「今日は晴れててよかったですね」
「う、うん・・・」
・・・・・・あれ?
「・・・うんうん」
「うん・・・はっ!?」
「まったく、緊張でもしてるんですか?まだ昼間なんですし、買い物でもします?」
「い、いいわね、じゃあ、お買い物をしましょう」
(できればリングを。指輪を給料三か月分的な、そういう指輪を)
なにやら、含みがあったような気がしたが時間は結構あるからな。なによりこの人のリフレッシュがもくてきだし。
「行きましょう、燈くん?」
「それはいいですけど、なんですか?」
楯無さんは「ん」と手を差し出している。
「ん!」
「手を繋げってことで?」
「あら、ビンタの方がいいのかしら?」
「いや、淑女なんで腕でもいいですけど?」
そんなからかいを言いつつ俺は刀奈さんの手を取る。
「・・・・・ほらほらいくわよ。燈くんまずはショッピングね、それからお茶にして、ええっとイヤリングも見たいかな」
「仰せのままに、そういう顔しててくださいよ」
「えっ?私してなかった?」
「こう、むむむーって感じでしたよ」
わざとらしく困った顔を作り刀奈さんを茶化す。
「なら続くように努力しなさい!」
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