乙女の秘密は最高機密

4/12
前へ
/389ページ
次へ
・・・・・・・ 「えーと、この大帝国ホテルのディナーに行きたいんですよね?」 俺は渡された招待券を見ながら、アーケード街を歩いていた。 「うん・・・・」 「今日は晴れててよかったですね」 「う、うん・・・」 ・・・・・・あれ? 「・・・うんうん」 「うん・・・はっ!?」 「まったく、緊張でもしてるんですか?まだ昼間なんですし、買い物でもします?」 「い、いいわね、じゃあ、お買い物をしましょう」 (できればリングを。指輪を給料三か月分的な、そういう指輪を) なにやら、含みがあったような気がしたが時間は結構あるからな。なによりこの人のリフレッシュがもくてきだし。 「行きましょう、燈くん?」 「それはいいですけど、なんですか?」 楯無さんは「ん」と手を差し出している。 「ん!」 「手を繋げってことで?」 「あら、ビンタの方がいいのかしら?」 「いや、淑女なんで腕でもいいですけど?」 そんなからかいを言いつつ俺は刀奈さんの手を取る。 「・・・・・ほらほらいくわよ。燈くんまずはショッピングね、それからお茶にして、ええっとイヤリングも見たいかな」 「仰せのままに、そういう顔しててくださいよ」 「えっ?私してなかった?」 「こう、むむむーって感じでしたよ」 わざとらしく困った顔を作り刀奈さんを茶化す。 「なら続くように努力しなさい!」 ・・・・・ ・・・・・・・ ・・・・・・・・・
/389ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加