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町の中央まで下ってきた辺りで、道を塞ぐように野良猫達が群がっていた。
「ブラックさん!」
猫達に埋もれて餌をやっていた少年が、顔を出しブラックに手を振っている。
彼の名前はグリーン。1匹の猫と一緒にこの町に捨てられた、哀れな少年。心優しき住人達に助けられながら生きている。
彼はブラックに駆け寄り、少し重みのある小さな箱と一通の手紙を渡した。
「文字を覚えたんだ!」
楽しそうに笑うグリーンの頭を撫でて、別れを告げた。
少し雨が降りそうな風を肌で感じながら、ブラックは道を下ってゆく。
受け取った箱には猫の死体が収められ、手紙の宛先は彼の生まれた家だった。
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