2、広告代理店 営業チーム

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1階のコンビニでジュースを買ってからオフィスに戻ると、エレベーターホールには、さっき商談で一緒だった仁が携帯で話していた。 目が合ったものの、そのまま首にかけた社員証をセキュリティーにタッチし、オフィスに入ろうとしたその時、話し中の仁が、私の腕を掴んで止めた。 「楽しみだったんですっごい残念ですけど、また江川さんが時間できたら行きましょう。 はい。では失礼します。」 仁はため息をつきながら、携帯をポケットにしまうと同時に、私の腕を離した。 「アイコムの江川さん?」 アイコムとはアパレル企業で、仁が担当しているクライアントのひとつだ。 江川さんとは私も商談で会ったことがあが、アパレル業界なだけあって、ファッションはもちろんのこと、爪の先からヘアスタイルまで完璧に整った、美人なPR部長だ。 「そう。今日の晩飯、ドタキャンされた。一緒に美味しいイタリアンの予定だったのに。」 「昨日ドーチェの黒部さんとご飯行ってなかったっけ?」 こちらはコスメ会社の広報担当だ。 「行ったよ。昨日は居酒屋でしっぽりね。」 仁にとってクライアントとご飯に行くことは、もはや当然のことだった。 「ということなので理沙、今晩俺の相手よろしく。」
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