3、女心をくすぐる営業マン、仁

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金曜の夜は、タイミングが合うと、同期である千秋と仁、3人で飲む。 千秋は私と同じ年齢だが、アメリカの大学在学途中で、専攻を変更したという仁は、2年遅れて卒業した。 なので、私たちの2歳年上にあたる。 飲み会予定の多い仁が、金曜に予定がないことはあまりないのだが、予定がなかったり、今回のようになくなったりすると、私たちは決まって一緒に飲むのだった。 千秋は自動車、家電メーカーといった業界を担当するチームの営業をしている。 元々アナウンサー志望で、某大手テレビ局の新卒採用で、最終選考まで選ばれたという千秋は、社内でも美人営業として通っている。 肌は白く透き通り、鼻はすっと高く、綺麗で自然と上に伸びるフサフサのまつ毛は、マスカラなんてしなくても十分な程で、同じ女子としてはすごく羨ましい。 千秋と二人で飲んでいると、男から声をかけられたり、お酒がどこかのテーブルから送られてくるということも当たり前のように起こる。 「じ~ん~、江川さんに振られちゃったんだって?」 千秋はニヤニヤしながら仁をからかった。
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