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「まぁ美人な人と飯が食えるのは悪くないけど、デートっていうのとはちょっと違うだろ?
デートってゆうのは、気になってたり、好意のある相手と出掛けることじゃない?」
「まぁね、デートっていうのはちょっと冗談だけど。でもいい感じになって、あれこれなったりすることだってあるんじゃないの?」
「・・・なんだよ。あれこれって。」
仁は目を細め、怪訝そうな顔で私を見た。
「だからさ、ご飯の後に、親密な関係になったりも、あるでしょ?」
「お持ち帰りって話?」
私は深く頷いた。
仁は、わざとらしく「あー」と声を出しながら、脱力したようにソファの背もたれにもたれかかった。
「なんでそーなんだよ。」
腹の底から出したような、低い声で言ってきた。
「だって、広告代理店マンでしょ?そういうの、普通にあるもんじゃないの?」
営業(特に広告代理店)にはそういうこともよくある話だと聞いたことがある。
社内でも、どこチームの営業が、どこ社の誰それと深い関係になっている、とか、そういう噂が流れたりすることがある。
そして何より、広告代理店の営業というのは、実によくモテるものである。
広告代理店という職業自体が、モテ職業だと言われるが、その仕事をこなしているからこそ、モテ職業なのだと、一緒に仕事をしていて思う。
当たり前であるのだが、彼らはいかにいいプランを立て、相手を喜ばすことが仕事のようなものである。
発想力は豊かじゃないと務まらないし、色んな人と上手く関わるスキルもいる。
場をまとめることはもちろん、必要に応じて、上手く盛り上げるタイプが多い。
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