第1章

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 伯父さまも、そんなわたしの気持ちを見抜いているのでしょう。お尻の穴が見えるほど脚を持ち上げて、太ももの内側にキスをはじめたのです。何度も、いろんな箇所にくり返し、しつこいほどのキスの雨……。 「由梨、君に徴(しるし)を付けても?」 「え……?」  キスマークのことでした。  男は女を所有する証しに、女性の肉体に自分の愛撫を刻印する。キスマークを付けて、ほかの男に俺のものだと宣言する。あるいは、俺の女に手を出すなと警告する。女はその刻印を、ほかの男たちからの求愛の盾にする。  そんな野獣のような風習を感じて、わたしは息を乱すほど興奮したものです。 「伯父さま、もっと。もっとキスをして、あたしの身体にしっかりマークを付けて」 「由梨。君っていう女は」 「伯父さま!」  伯父さまはもう何も言えません。わたしが伯父さまの首に両手をまわし、アソコにキスするように引き寄せたのです。自分でするのよりも何倍も気持ちいい、まるで宇宙遊泳をしているような快楽に、わたしは心身ともに溺れたのです。  そしていよいよ、その瞬間がやってきました。伯父さまが慌ただしく、ベッドサイドのテーブルを探っています。 「そのままで、いいんです。伯父さま」 「ダメだよ由梨、これは男のマナーだ」  わたしが単に性感の問題から避妊具を嫌ったのだと、伯父さまは思ったのでしょう。でもそれは違うのです。伯父さまの子をお腹に宿して、動かぬ事実で母と伯母のまえにわたしの生き方を知らしめたいと、ずっと思っていたのです。  そう、伯父さまへの愛をひとときの遊びや過ちには、しておきたくない。縁談話をチラつかせては、女は結婚で幸せになれると、そう思い込んでいる母と伯母に、ほかならぬ伯父の子種を宿すことで、わたしの生き方を承認させたい。認めさせたいのです。 「ナマで、して欲しいの」 「赤ちゃんが出来ちゃうぞ」 「子供が出来たら、産むわ。伯父さまの子を」 「由梨……」  伯父さまの表情に、戦慄が走るのがわかりました。 「でないと、今日のことを伯母さまに話すわ。ええ、ママにも話すつもり」 「……」 「来て、そのまま」  伯父さまはさらに迷ったのち、わたしの懇願にうなづいてくれました。生身の身体で、私の中に入ってきたのです。オナニーのときに指を入れているせいか、痛みはありませんでした。
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