五、

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 何もかも片付いて落ち着いたら、一度ゆっくり話をしてみたい。・・・案外、いい友達になれるかもしれない。そんなことを思った。  高柳の家に戻ると、客が訪ねて来ていた。康助と入れ違いに帰るところで、玄関ですれ違った。髪をおさげにした小さな女の子と、母親にしては若い二十歳過ぎくらいの女性だ。 「秋兄ちゃん、またね」  最後に振り返り、女の子が小さな手を振る。高柳が見送りに出て来たので、康助も一緒に並んで見送った。康助も手を振り返したらはにかむように笑った。笑顔のかわいい子だった。 「さっきまで優真もいたんだ。用事があるって先に帰ったから、入れ違いになったな」  靴を脱ぎながら、康助はその当人に会ったことを話すべきかどうか考えていた。同時に、さっきの親子とは初対面の筈なのに、どこか覚えがあって首を捻っていた。  すると、高柳がさらりと答えを教えてくれた。 「今のが香純さんと真樹ちゃんだよ」 「え?」 「あの子が優真の妹だ」 「へぇ。って、――ええっ!?」  見えない相手を振り返り、康助は思わず大声を上げてしまった。  康助が二人に会ったことは勿論ない。知っている気がしたのは、話を聞いていたからだ。おさげのかわいい女の子と、ボーイッシュな女性。玄関ですれ違ったのは、まさしく話そのままの親子連れだった。     
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