一、

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 幼い高柳は女の子も顔負けのかわいらしさで、隣の母親の顔を見た瞬間、 「――でーっ!!」  康助は思わず奇声を発してしまった。 (マジかよ、これ)  高柳の母親は予想に違わず美人だった。驚いたのは、高校生に成長した今現在の高柳が、その母親にそっくり生き写しだったからだ。  教室で初めて見かけた時から、綺麗な顔立ちをしているなとは思っていた。女っぽいというのとは違うが、高柳は男にしては繊細な整った顔の作りをしている。その由来を成程と見事に納得させられてしまった。  そういえば、さっき病気で亡くなったと聞いた。小学生の時だと言っていたから、この写真からそう何年も経ってはいないだろう。高柳があまりにこだわりなく教えてくれるものだから軽く聞き流してしまったけれど、あれは今更ながらに軽率だったと思う。いつもいつも、そういうことに気付くのが遅いのだ。 (俺、全然成長してないのな・・・)  がっくり肩を落とすと、机から離れた。  映画のパンフレットも見つけおとなしく読んでいると、高柳がトレイに昼食を乗せて現れた。メニューは大盛りのチャーハンと玉葱のスープ。ご丁寧にヨーグルトのカップまでがデザートとして添えられている。  美味しそうな匂いに、簡単にテンションが上がった。     
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