大切な記憶

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とある病院で一人の少年が目覚めた。 「陽希?!わかる?!お母さんだよ?」 目が覚めた少年に必死に呼び続ける母親。そして隣で涙を流しながらそれをじっと見ている少女。 「おにいちゃん・・・私妹の可奈だよ?わかる、、かな?」 母親と妹の可奈の呼び掛けに陽希は答えた。 「・・・ごめんなさい。どちら様ですか?」と俯きながら答える。 「あぁ・・・」と母親と可奈は泣き崩れてしまった。 コンコンとドアをノックする音が聞こえると「失礼します」といいながら白衣をきた男性が近寄ってきた。 「やぁ、体調はどうかな?3日も眠り続けていたからまだ頭がぼぉーっとするよね?」 「はぁ、そんな感じですね」 二人が会話をしていると母親が白衣の男性に話しかけた。 「先生、陽希は戻るんでしょうか・・・」 「そうですね、、現段階ではなんとも言えませんね。脳に損傷は全くありませんでしたので。記憶だけ抜き取られたようなそんな感じなので」 (記憶?) 二人の会話を聞いていた陽希は記憶という言葉に反応した。 「あの!俺って記憶ないんですか?」と勇気を振り絞り医師に聞く。 「陽希君・・・残念だけどそうなんだよ。原因は全くの不明。君が公園で倒れていたところをここに運ばれて来たからそれ以外はなにも」と冷静に陽希に説明をする。 「意識が無くなる前のこと少しでも思い出せないかな?傷もないし脳にダメージもない・・抜き取られたような感じなんだ」 陽希は思い出そうと考えてるがなにも浮かばない。 「すいませんほんとに何も思い出せません」 「そうか、、、とりあえず今は寝ときなね?まずは身体からね?」 そう告げると部屋から医師は出ていった。
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