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(晴明さま、何か周囲の視線が痛んだけど、何とかなりませんか?)
(東日本を救うためだ。わしもつらいが辛抱してくれ)
安倍晴明は安東要の脳の中に念話で直接、語りかけた。
「かなめちん、今日のデートどこ行こうか? やっぱり、ディズニー?」
いや、その呼び方やめてくれと要は心の中で叫んだ。
「そうだね。ちょっと暑くなってきたので、ディズニーシーにしようか」
(晴明さま、相手の全てを肯定するという恋愛法則『超デート理論』ってつらいですね)
(つらいだろう。これからもっとつらくなるから。そろそろ愚痴がでる頃合いだ。でも、東日本を救うためだ。耐えてくれ!)
安倍清明の音声ナビゲートも心なしか悲壮感が漂いはじめていた。
「ねえ、かなめちん、わたしね、お姉さんが三人いるの」
「へえ」
「一番上の月奈お姉さんは『月』にいるんだけど、わたしが生まれてから一度も会ったことがないの」
「そうなんだ。寂しいね」
「二番目の真奈お姉さんは≪遊星クルド≫にいるんだけど、太陽の光で蛇を焼いたり(注1)、異次元空間から天使を召喚したりするのよ」
「そうなんだ。ラノベとかファンタジーな感じだね」
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