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目黒の安アパートに帰った安東要は、月読波奈とのデート疲れで、ベッドに突っ伏した。
デイズニーシーの楽しいはずの光景が、悪夢の走馬灯のように彼の頭の中で何度も再生された。
(これも東日本を救うためですね。清明さま)
(そう、そうじゃ。まあ、次のミッションは楽じゃから、安心せい)
(でも、清明さま、今日、気になったことがあったんですが、イスパニア帝国のニュースで、空母をフィリピン沖に派遣したとか……、そんな国ありましたっけ?)
(イスパニア帝国はお前の世界では『アメリカ合衆国』に当たる国で、この世界の覇権国家じゃ)
(……それって……、この世界は僕の生きていた世界の過去ではないんですか?)
安東要はベットから飛び起きて、晴明の姿を思わず探していた。
声だけの存在に姿などあろうはずないのだけど。
(ふむ、言ってなかったかな? この世界はお前の世界とは別次元の異世界じゃが)
(いやいや、聞いてないですよ! 異世界の過去の歴史を変えても、僕の時代の歴史が変わるはずないじゃないですか! 僕の苦労は水の泡じゃないですか!)
安東要は激昂して涙目になった。
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