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(正確には違うのう。わしは陰陽道を究め、死して尸解に至り、多元異世界に同時に存在できるようになったのじゃ。高次元精神生命体、つまり、神様というか、神霊じゃな。仙人ともいう)
尸解とは中国の神仙思想や道教で死んだ後に生き返って仙人になることである。尸解仙とも呼ばれる。尸解には霊魂のみが抜け去る場合と、死体が生き返るものがあるが、ゾンビなどもある意味、尸解の一種かもしれない。当てにならない知識だが。某漫画週刊誌の人気漫画の始解とか、卍解とは関係ないと思うけど。
「ということは、安東君はお父さんに会いに行かなくちゃならないわね」
「おやじに?」
安東要は少し動揺した。
父親の安東龍一郎は与党民政党の幹事長兼防衛大臣で、確か3月11日に不慮の事故死を遂げていた。
3月11日がおやじの命日である。
肉親の死であるのに、あまい思い出したくない出来事であった。
なぜなら、おやじとは高校生頃からあまり仲が良くなかったし、父親のような政治家にはなりたくなかったし、ラノベ作家を目指すとか言ってケンカして、高校の頃から家を出てバイトして目黒の安アパートで暮らしていた。といっても生活費は母親がこっそり仕送りしてくれていた。
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