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(≪天鴉≫には神沢家のような戦士の家系である『剣の民』、月読家のような『鏡の民』があるが、おぬしは『勾玉の民』だった安東龍一郎の血を引いている。人を魅了するカリスマ性は半端ないようじゃな)
(全然、褒められてる気がしないんですが)
そういえば、さっきから皮膚が火照って焼けるような、ギラつくような視線が安東要の身体に向けられていた。
彼らは要たちを包囲するように冥途カフェの席を占領していたが、東京ビックサイトから流れてきた女装カメラ小僧やオタクのコスプレーヤーのようだった。
今は何故かその衣装は安東要と同じブルーのミニスカポリスに黒い二―ハイソックスに統一されていた。制帽には星印に≪KSS≫という文字が重ねられたマークがある。
こんな短時間にお揃いの制服をどうやって大量に調達できたのか謎であるが、熱狂的なファンなのかもしれない。
安東要は自分の男の娘としての魅力に戦慄した。
「お客さま、そろそろお時間となりました。延長されますか?」
清楚な黒服に白いエプロン姿の冥途が声をかけてきた。
そういえば、この冥途カフェは時間制であった。
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