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だが、≪メイドロイド≫は身体を腰から高速回転させるというアンドロイド独特の動きで縄を切断したかと思うと、再び、突進を再開した。
相撲オタク、プロレスオタク、レスリングオタクが必死でそれを止めようするが、歯が立たずに盾もろとも身体ごと吹っ飛ばされていた。
安東要の本陣周りに≪メイドロイド≫が単騎で突撃突破を果たそうとした時、ついに輝く銀色の装甲もつ式鬼≪銀鋼≫7機が降臨して、≪メイドロイド≫の突撃を阻んだ。
式鬼≪銀鋼≫は道術と≪天鴉≫の超過科学力を融合させた人形装甲兵器である。
パイロットは冥途カフェにいたおじいちゃんたち7人だが、≪零式妄想式超光速12Dプリンター≫も組み込まれていて武器などを自在に召喚し、式鬼≪銀鋼 零≫と呼ばれる特別仕様になっていた。
彼らは元ゼロ戦乗りで終戦になって死にぞこなって、余生を冥途カフェで暇つぶししていた古強者であった。
オタクたちと比較して練度も実践経験、妄想力も高く、それゆえに晴明から式鬼≪銀鋼 零≫の搭乗を許可された精鋭だった。
(清明殿、若い者にはまだ負けるわけにはいかんからのう)
(玄さん隊長、心強いな。だが、あまり無理をせず、ほどほどに戦ってくれ)
(わかっとるよ。だが、昔の血が騒ぐ。こんな働き場所を用意してくれた清明殿に本当に感謝してる)
(そうか、わかった。頼りにしておる)
安倍清明は年寄りが張り切るのは少々不安であったが、いざとなれば、自分の陰陽術にも自信があったし、心配はしていなかった。
如何に神霊となった安倍清明でも、全ての未来がその千里眼に映るとは限らなかった。
未来の可能性は無限に広がっている。
やがて安倍清明はそのことを思い知らされることになるのだった。
(あとがき)
予告タイトルと違ってますが、アキバの地下迷宮での戦いはどうなるのか?
オタクたちの特殊な妄想力を生かせば、案外、凄い戦力になるかもしれません。
今は付け焼刃でいまいち頼りないですが。
次回『地下迷宮の戦い』をお楽しみに!
式鬼≪銀鋼≫につては『匿名捜査官 クロスロード シロガネ』参照。2015年の来月7月のアルファポリスミステリー大賞で続きを更新の予定です。
http://ncode.syosetu.com/n3966bx/
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