安倍清明の転生術

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 自衛隊の汎用偵察ヘリ≪シャドウスキル≫は、福島沖に停泊している潜水空母≪黄龍(こうりゅう)≫に帰還した。  旧日本海軍の伊四〇〇型潜水艦をモデルとして、自衛隊内の≪天鴉(アマガラス)≫メンバーが五星工業に秘密裏に発注したもので、10機の偵察および特務ヘリと10機のスタンドウルフ型次元潜航艇を搭載している。  潜水艦といっても光子波動エンジンを搭載しているので、大気圏内のみならず、宇宙空間でも作戦行動可能な宇宙船でもある。  安東総理は潜水空母≪黄龍(こうりゅう)≫の中心部にある特別室のベットに仰向けに横になった。  どっと疲れが来る。   あの惨状を目にして、自分は今まで何をしていたのか、深い後悔に沈んでいた。  もっと自分に力があれば、何とか最悪の事態を回避できたのではないか。  父親である政治家の安東龍一郎への反発で無駄に過ごしてしまった青春時代を恥じてもいた。  閉じた双眸に、悔し涙がにじんでこぼれた。    しばらくそうしていた安東要はいつのまにか眠りに沈んでいった。         †
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