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「うん、良いよ。」
鼓動が早くなり、私は顔が真っ赤になっていたと思う。
やっと絞り出した声は、この一言だけだった。
私は照れ隠しに君の腕に絡みついた。
君は不思議そうな顔をしていたよね。
「目をつむってくれないか?
やっぱり恥ずかしいんだ。」
ふふふ、君でも恥ずかしいことってあるんだね。
「うん」
ちょっと残念、君の顔を見られないのは。
私からすれば、君とのキスは2度目。
でも君からすれば初めてなんだよね。
私は目をつむった。
君の気配がだんだん近づいてくるのが分かる。
私の鼓動が早くなっていく。
私の唇にやわらかく暖かいものが触れた。
あの時は無我夢中でわからなかったけど、君の唇はこんなにもやわらかかったんだね。
唇が離れ君の気配が離れていくのが分かった。
私はゆっくりと目を開ける。
オレンジ色に染まった君の顔は、はにかんでいたような照れていたような。
そんな感じだった。
きっと私と同じ気持ちなのかもしれないね。
私は嬉しくって嬉しくって、でも恥ずかしくって私の神像が激しく脈を打っていたよ。
君と私の最初の想いでは、夕日に染められた屋上でだったね。
初デート、そして初めてのキス。
これからもいっぱい思い出を作って行こうって思ったんだ。
夕日に照らされた君の顔は、とってもかっこよくまぶしかった。
そんな君の隣にいつまでいられるのかわからないけど、今日の想いでは忘れないよ。
君との思い出は……。
これからもずっと……。
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