第一話

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第一話

「あっ、あ、も……無理……っ! イク…────ッ!」  ビクビクと全身を跳ねさせて、(はるか)は見知らぬ男に身体を貫かれたまま、もう何度目かわからない絶頂を迎えた。  パタパタと悠の腹に白濁が散るのを見て、悠に挿入していた男と、それから悠を取り囲んでいた複数の男たちから、口や顔、胸元に次々に精をかけられる。  内心では酷い嫌悪を感じつつ、それでも全てを恍惚とした表情で受け止めた後、ようやく監督からカットの声が掛かって、悠は思わず長い息を吐いた。  男相手のAV男優という仕事にはそこそこ慣れてきたつもりだったが、さすがに一度に五人もの相手と絡むのは初めてで、今回の撮影は肉体的に相当キツかった。  自分のものと、他の男優たちの体液で汚れた身体のまま、ぐったりとベッドに横たわって動かない悠に、「ユウ君、お疲れ様。大丈夫?」と、撮り終えた映像のチェックをする傍ら、監督が軽い調子で問い掛けてくる。 『ユウ』という呼び名は、悠がこの業界内で使用している男優名だ。 「……お疲れ様です。正直、五人も相手するとか聞いてなかったんで」  嫌味を込めて悠が気だるい声を返すと、監督はわざとらしく驚いた顔を見せた。     
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