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立花、という名前に、本郷は思わずソファへ沈めていた背をガバッと起こした。
どういうツテなのかは知らないが、弁護士を通してわざわざ自分に連絡を取りたいと言ってくる『立花』なんて、思い当たる人物は一人しか居ない。
「俺から連絡するから、向こうの連絡先教えて。大至急」
どうやら今度は振り出しからのスタートではなさそうだ。
今度こそ、絶対にこの手を離して堪るものかと、本郷は悠の残したメモを持つ指先へ静かに力を込めた。
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