第二話

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第二話

  ◆◆◆◆ 「……っ」  悠は、身体の怠さと夢見の悪さに、小さく呻いて目を覚ました。  発情期でもないのに、全身が重怠くて熱っぽい。  ここ一年くらいは、撮影の次の日になると、悠はほぼ必ずと言って良い程微熱が出るようになっていた。この日も這うように六畳の1Kアパートの隅に置いたラックから体温計を取ると、測った体温は三十七.五℃。  昨日の撮影がハードだったからというのもあるのだろうが、悠も気付けばAV業界に足を踏み入れて五年。悠もそうだったが、特にΩの場合は十代でこの業界に入って来る人間も多く、現に悠の所属しているプロダクションにも、つい最近十八になったばかりの少年が新しく二人加わったとマネージャーから聞かされていた。  彼らと比べれば、悠はこの業界では「若い」とは言えない年齢に差し掛かっているし、こうして体力的に限界を感じている辺り、そろそろ辞め時なのかも知れないと、悠は布団に転がって重い息を吐いた。     
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