2度目の一目惚れ

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助けてくれた見ず知らずの男性。 なんとなく忘れられなくて毎朝駅のホームや車内を見渡すけれど、1回も見つけられなかった。 まぁ、会えた所で話し掛けたりしたら向こうも迷惑だろうし。 「(でも会いたいんだよなー……)」 ゼミを終え、机の上に広げていた資料やノートを片付ける。 「ねぇねぇ、(りつ)はこの後バイト?」 隣に座っていた友人の(いずみ)が、身を乗り出して聞いてきた。 「ううん、楽団の方」 「相変わらず多忙過ぎー。たまにはご飯食べに行こうよぉ」 そう言って口を尖らせて拗ねる。 仕草が相変わらず可愛らしい。 私も真似できたら、もう少し女の子らしく見えるかなと思う程。
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