2度目の一目惚れ

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“聴きに来てくれてありがとう。律も演奏会があったら教えてね。私も行きたいから” 後日、泉はいつもと同じようにほわっと笑ってそう言った。 “うん、是非来てほしい” それから一緒にいる事が増えた。 お昼を食べたり勉強したり、休日が合えば買い物にも行ったり。 服の趣味も好みもまるで違ったけれど、その分知らない事を知る事が出来て楽しかった。 最近はレポートの作成に追われていて、なかなか時間が取れなかったけれど。 「来週の金曜日は?」 「空いてるの?」 「うん。今日で発表が終わったし、バイトも入れてないから。授業が終わったら行こ?」 「やったぁ」 泉が手を合わせて喜んだ。 どこに食べに行こう。 駅前のカフェもオシャレで美味しいと後輩が言っていた。 居酒屋の個室でゆっくり話すのもいいかもしれない。 そんな事を考えながら、バッグを肩に掛けて立ち上がった。
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