秘めた想い

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文化祭でバンドを組む生徒が他にいなかったのもあり、俺達のバンドはなかなか評判がよかった。 舞台に立った時、生徒達から興味と期待が向けられている事に気付く。 俺が壇上に立つのは賞状を受け取る時や総会の時くらいだ。 いつもつまらなさそうな、気怠いような視線ばかりだっから新鮮で。 演奏が終わった時の高陽感と達成感……全てが心地良かった事を今でも覚えている。 「何か1つのものを皆で作るのっていいわね」 文化祭後に笑顔で言った琴子(ことこ)の言葉がすとんと心に落ちた。 「……そうだね」 多分俺は不特定多数の人間に頼られるよりも、同じ目線で同じ気持ちで……笑い合える仲間と同じ時間を共有したかったんだ
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