121人が本棚に入れています
本棚に追加
文化祭でバンドを組む生徒が他にいなかったのもあり、俺達のバンドはなかなか評判がよかった。
舞台に立った時、生徒達から興味と期待が向けられている事に気付く。
俺が壇上に立つのは賞状を受け取る時や総会の時くらいだ。
いつもつまらなさそうな、気怠いような視線ばかりだっから新鮮で。
演奏が終わった時の高陽感と達成感……全てが心地良かった事を今でも覚えている。
「何か1つのものを皆で作るのっていいわね」
文化祭後に笑顔で言った琴子の言葉がすとんと心に落ちた。
「……そうだね」
多分俺は不特定多数の人間に頼られるよりも、同じ目線で同じ気持ちで……笑い合える仲間と同じ時間を共有したかったんだ
最初のコメントを投稿しよう!