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中学2年生の夏、大好きな祖母が亡くなった。
両親は共働きで一人息子。
忙しかった両親の代わりに俺の世話をしてくれたのは、一緒に暮らしていた父方の祖母だった。
優しくて温かくて、いつも味方でいてくれた祖母。
そんな祖母の死を受け入れたくなかった。
話をすることも、愚痴を言うことも、俺を呼んでくれることももうないのだ。
どうしようもない喪失感に襲われた。
それでも時間は容赦なく流れる。
忌引き開け、喪失感を引きずったまま登校した俺に待っていたのは変わらない日常。
笑うことも出来るし、授業も部活も普通にこなせた。
気持ちを置いてきてしまったのかと思う程、淡々と過ごす。
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