第2話

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第2話

  ◆◆◆◆  週が明けた月曜日。  珍しく、喜多川は朝のHRの途中に登校してきた。遅刻は遅刻だけれど、彼にしてはかなり優秀な方だ。もしかしたら今日の委員会の予定を覚えてくれていたのだろうかと淡い期待を抱いた透だったが、やはり喜多川は喜多川だった。  結局彼はいつものように昼休みまで寝っぱなし。昼休みにまたしてもめげずにやってきた先日の女子二人組に眠りを妨げられ、追い払ったものの眠気が飛んでしまったのか、その後フラリと教室を出て行き、五時限目の体育の授業には顔を出さなかった。そしてまた六時限目にふらっと教室へ戻ってきたかと思うと、そのまま再び眠りに就いてしまった。  その間、何度か声をかけようかと透が近付いても、喜多川は透の方を見るどころか、顔すら上げてくれなかった。  この様子だと、間違いなく放課後になったらまたあっさり帰られてしまう。  喜多川に実行委員をやる気がなくても、白石も言っていたように、他のクラスの委員たちは皆顔を出しているのだから、この際委員の仕事は透が全て引き受けてでも、せめて委員会に顔くらい出してもらわないと透だって居心地が悪い。     
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