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「わしらに距離の概念は通用せんのじゃよ。一瞬じゃ、一瞬で行きたい場所に飛んでゆけるのじゃ」
「いいな~。それで物に触れたら」
僕はえさ箱のお供え物を見下ろした。幽霊は、食べ物の「気」を食べるらしい。幽霊が食べた食べ物は味気なくなるんだって。
じーちゃんが気を食べた僕のエサは、確かになんか味気ない。勿体ないから僕食べてるの。飼い主さん僕のこと可愛がってくれるから、エサを残したら心配するしね。
壁をすり抜けたり飛べたりするのは羨ましいけど、なんにも出来ないのは嫌だ。
「たまにこっちにも来るしの。それで見た目の確認も出来る」
そうなんだ。じーちゃんの飼い主さんがときどき僕の飼い主さんに会いに来るようになった。
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