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「先生…好きです。」
放課後誰もいない教室で生徒に告白された。
「ありがとう。でもごめんな。お前は生徒だから。」
こう言うしかない。
僕らがこう言う関係である以上は。
「先生。聞いてくれてありがとう。」
無理に笑う彼女は今にも泣き出しそうだった。
僕が先生じゃなければ、君の気持ちに応えてやれるのに。
恥ずかしながら僕はこの子ことが好きだった。
大人しいけど、真面目で、思いやりがあるかの子のことが。
何より嬉しかったのかもしれない。
好意を向けられることが。
それから一ヶ月。
僕は退職願を出した。
この子が卒業する日に迎えに来よう。
その時に言おう。
「僕も好きだよ」って
僕がいなくなって君は泣いた?それとももう何とも思ってない?
なにも言わずにいなくなって、もう嫌われたかもしれない。
でも、もう何でもいい。
2年後君が高校を卒業したら、会いに来る。
それまでさよならだ。
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