第三話 本源郷の日常「新メンバーは、太宰治の霊???」

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太宰は納得したように何度も頷く。 「そう言うこと。ま、宜しくお願いしますよ、先生」  とオーナーはハッハッハッと豪快に笑った。 「こちらこそ」  太宰はぺこりと頭を下げた。 「改めて、宜しくです」  と真帆。 「宜しくお願いしますね。お店は益々楽しくなるわ。それはそうと、幽霊さんには何の報酬を支払えば良いのかしら? 別に何かお仕事をして頂く訳ではないのだけれど、あの太宰先生がうちに居てくださるのに、まさかただで、とか申し訳ないし」  と華乃子。言われてみれば尤もな疑問点だ。 『いえいえ、お気遣いなく。私は私でやるべきことがあって居させて頂くのですし。反対にこちらがお礼として客寄せに貢献させて頂けたらと』  太宰は妖艶に微笑んだ。 ……まさか、好みのお客様をこっそり口説こうとなんかしてないよねぇ。必ずしも先生の姿がその人に視えるかどうかもわからない訳だし……  ぼんやりと真帆は思う。 「おう、これは有り難い! 何はともあれ、『フォーチュン喫茶「本源郷」』の従業員の一人に仲間入りだ!」  オーナーは本当に嬉しそうに破顔した。 「大歓迎ですよ。宜しくお願いしますね」  と華乃子。彼女も本当に嬉しそうに目を輝かせている。 「改めまして、太宰治先生、ようこそ! 『フォーチュン喫茶「本源郷」』へ!」  真帆は丁寧に頭を下げ、キラキラ瞳を輝かせた。  かくして太宰治(の幽霊)は、『フォーチュン喫茶「本源郷」』の一員となったのである。  
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